ミカド電装商事株式会社 代表取締役 沢田 元一郎 様
設立:1948年
本社:宮城県仙台市若林区
業種:蓄電池設備など電源システムの販売商社
エリア:東北6県+新潟県
HP:http://www.mikado-d.co.jp/
株式会社ミカド電装商事様とは
仙台市で蓄電池整備の据付販売業を営んでいるミカド電装商事様。
順調に売り上げを伸ばしていたが、バブル崩壊後、公共・公益事業やビルなどの建設が減り、売上が低下。売上が底を打ち、やっと上り調子になってはきたが、繁忙期には休日返上・深夜帰宅は当たり前。
売上は以前より少ないにも関わらず、社員の忙しさは変わらない。
その頃のミカド電装商事様の営業は、個人の能力に任せていただけだった。2代目として社長に就任した沢田社長は、営業を組織化・理論化し、ミカドの経営体質を強靭にしたいと考えていた。そんな時に出会ったのが、プロセスマネジメント、そしてWBS(ワークブレークダウンストラクチャー)である。
プロセスマネジメント大学受講前、当初、何に悩んでいましたか?
売上が落ちていたにも関わらず、スタッフたちは、公共・公益事業が忙しくなる年度末には休日返上は当たり前、深夜まで残業することが多かったです。
また、顧客の言われるがままに動いていたので、あとから余分な手間とお金が追加されてしまいました。
業務のムダが多く、やるべきことが見えてなかったんですね。
何がきっかけで、プロセスマネジメント、WBSを知りましたか?
プロセスマネジメントという言葉は、宋文州氏の『ここが変だよ、日本の営業』で知っていたのですが、プロセスマネジメント大学で、改めてプロセスマネジメントとWBSについて学ぶことで、理解が深まりました。
導入までに躊躇することはありましたか?
私はすぐにでも導入したいと考えていたのですが、幹部社員が躊躇しました。
「我々の仕事はそんな一律に分解できるものではない」と反対意見が出たのです。
それはどう解消しましたか?
実際に「味噌汁の作り方」の「WBS」を作成し、「どんなものでもWBS化出来る」ことを説明し、説得しました。
実際に導入してみてどうでしたか?
まず、導入から5年で売上が約2倍になりました。
従来の営業は、顧客からの引き合い待ちか、よくて「何かありませんか」の御用聞き営業でした。
WBS導入以降は、案件情報を業界紙などから収集するルーチンを確立したので初動が早くなりました。例えば、地元にショッピングセンターが建つことが分かれば、取引先に対して「見積もりさせてください」と提案することが出来ます。これを実践している会社は業界には皆無でしょうね。
また、業務の平準化が進むと同時に、年度末の忙しさも緩和されています。繁忙期でも22時には帰れていますね。
それは、業務の可視化によって外部の力に押されて訳もわからず動くことが減り、結果、業務の偏りや繁閑の差が発生しにくくなったことに由来しています。
ムダが減って利益が増え、売上アップに回す人的、時間的リソースが増えたことも良いですね。
現在、沢田社長は地元仙台で「プロセスマネジメント大学」を運営している。震災の影響で一時延期になったが、沢田社長の強い要望で開催が決まった。
現在第2回まで終了している仙台校営業講座だが、沢田社長自ら受講生の成果を上げるべく、架空の「寿司店さわ田」の「課題ワークシート」を作成し、見本として公開するなど、受講生の理解を深めるために各種フォローを実施している。
沢田社長の受講生への支援とプロセスマネジメントに対する「情熱」に心から感謝と敬意を表したい。